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暴れん坊ママ [アンおばさんの教育ミニコラム]

秋に始まったドラマの中でも、毎朝欠かさずに見ているのが、NHKの「ちりとてちん」ですが、もう一つ楽しみにしているドラマがあります。
それが、毎週火曜日の午後9時にフジテレビで放映される「暴れん坊ママ」です。

このドラマの脚本家が私の好きな大石静さんだったので、最初から期待はしていたのですが、思っていた以上におもしろくて、毎回必ず見るようにしています。

明るくて活きのいいホームコメディーなので、それだけでも十分に楽しめるのですが、何かしら考えさせられるものが含まれていて、それが押しつけがましくないところにも好感が持てます。

前回も、今回も、上戸彩ちゃん扮する「暴れん坊ママ」の ‘あゆ’と、パパ役の大泉洋さんの‘哲’夫婦が、子どもの‘佑樹’を、挨拶の出来る子にしようと苦心する場面があったのですが、見ていてホロリとさせられました。

朝、あゆの父親にトイレを占領されたことが原因で、幼稚園でウンチを漏らしてしまった佑樹が、園児からからかわれたことでプライドを傷つけられ、怒ったはずみで相手にけがをさせてしまうという事件が起こりました。
あゆは、からかった相手が悪いのだから謝る必要はないと言いますが、トイレを占領してしまったことを佑樹に素直にわびるあゆの父親の態度を見て、佑樹は自分から進んで「ごめんなさい」と友だちに謝ります。

「しつけ」という言葉には、親が自分の思い通りに子どもを動かす意味合いが感じられて、私はあまり好きではないのですが、あゆ夫婦からは「ちゃんとしつけなければ」、「しつけてやろう」という気負いが感じられませんでした。

「こんにちは」「さようなら」「行ってきます」「いただきます」「ごちそうさま」などの挨拶言葉はもちろんのこと、「ありがとう」「ごめんなさい」「よろしくお願いします」などの言葉は礼儀の面からも大切だと思います。
けれど、これは親が強制して子どもに覚えさせるものではなくて、あゆ夫婦のように、親が家庭の中で、または他人に対してもそのような態度で接していれば、子どもはしぜんに真似をして、黙っていても出来るようになります。

このドラマで、私が一番いいと思うのは、他人と自分を比較しないあゆの性格です。
佑樹の通う幼稚園は、山の手にある幼稚園なので、園ママたちが見栄を張り合ったり、生活レベルを競い合ったりしています。
そんな中で、あゆは佑機のママハハとして精一杯の子育てをしながら、園ママたちに対してはいつでもストレートでマイペース、他人を羨むことも、自分を卑下することこともありません。

この園ママたちの姿は、テレビの中だけの話ではなく、現実のママ社会をそのまま映し出しているようで、リアルに感じられました。
昨夜の内容には、「見た!園ママ社会のウソ」というタイトルがついていました。
ファッション雑誌に載ったことで他の園ママたちの羨望と嫉妬の対象になって、いい気になっていたある母親が、夫の職業を偽っていたり、ブランド品を身につけるために夜のパート勤めをしていたことが、女王的存在の園ママによって暴かれ、しっぺ返しを受けることになります。

この母親は、夫の職業や生活水準を他人と比較することの愚かしさをわかっていながら、それでも物質的に豊かな人が羨ましくてたまらないと、あゆに向かって言います。
子どものために、ブランド幼稚園に通わせ、子どものために母親自身も着飾っていなければならないと言いながら、実は母親自身の見栄のためだということは、母親本人も自覚していました。

この母親を愚かだと決めつけることは、私には出来ません。
今は、多くの母親たちが、自分や子どもを人並み以上にすることに、興味や関心が向いている時代だと思うからです。
バブルが崩壊して、「金、モノからこころの時代に」と言われるようになって、かれこれ15年以上の月日が流れているのに、相変わらず日本では、お金がある人やモノをたくさん持っている人がもてはやされています。
特に、娘時代にバブルの恩恵を十分に受けていて、現在子育ての渦中にあるお母さんたちは、ドラマの中の母親のように、頭ではわかっていても、なかなか発想の転換をするのがむずかしいように思えます。

それでも、昨日のドラマのように、ハイキング途中で姿が見えなくなってしまった佑樹をあゆが必死で探して、不安と心細さでいっぱいだった佑樹があゆを発見して、あゆの胸に飛び込んで行くシーンなどを見ていると、大切なものは何なのか、しあわせとは何なのかを考えさせられてしまいます。

あゆにとって大切なのは、夫の哲ちゃんであり、ママ子の佑樹であり、男手一つで愛情いっぱいに育ててくれた父親であるに違いありません。
また、ウソをついていた園ママに対して他の園ママたちは容赦しませんが、あゆだけは彼女のことを心配します。他人の痛みがわかるあゆをステキだと思いました。
鼻っぱしは強いし、言葉もきれいとは言えないけど、見栄や世間体には関係なく、ウソのないあゆだからこそ、これから先も佑樹から信頼されるママハハになっていくことでしょう。

今のように競争社会が激化している世の中では、他人と比較しないで子育てをすることは大変だと思います。その中で、母親自身が姿・形の見えないものに追い立てられ、孤立感を募らせていくことも容易に想像できます。
「暴れん坊ママ」の確かな制作意図はわかりませんが、私には、子育てで四苦八苦しているお母さん方への応援も含まれているように思えます。
彩ちゃんママからパワーをたくさんもらえるといいですね。


コメント(2) 
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コメント 2

フラン

お久しぶりです。
私も「暴れん坊ママ」は見ていますが、アンさんほど深い洞察力を持ってみていなかったので、記事を読ませて頂いて、なるほどな~と感心してしまいました。
どうも、あの柄の悪いしゃべり方や態度の方が気になってしまって、「上戸彩ちゃんも、もっとシリアスな役をやれば良いのにね・・・」なんて長女と話していたところだったのですが・・・。

確かに園ママ達の、あの透かした感じは、虚無感がありますし、表面をつくろうあまり、真実とか、中身のようなものが、なくなってしまっている・・・という印象は受けました。それに比べると、‘あゆ’と‘哲’の生き方は、凄く地に足がついていて、真実味がありますね。

親が子どもに、口やかましく言うのではなくて、さりげなく手本を見せてあげる・・・その繰り返しが、おっしゃる通り、子どもが最も自然に学んでいくであろう「教え」となるのでしょうね。ハッとさせていただいた、ご意見でした。
by フラン (2007-11-07 23:07) 

an

フランさん、コメントありがとうございます。
私自身の子育てを振り返ってみても、子どもにさせたいと思うことは、ほとんどかなわず、「まっ、いいか。そのうち、自分で気づくだろう」と、ゆったり構えていた時のほうが(我が子に関しては、それがなかなか出来なかったのですが)、子どもが自発的にやったように思います。
また、「こうなってくれると、お母さんはうれしいんだけどな」というように、母親としての思いや願いは、その都度伝えていました。


<それに比べると、‘あゆ’と‘哲’の生き方は、凄く地に足がついていて、真実味がありますね>
フランさんの言われるとおりで、それもブログに書きたいと思っていました。特別なことをしなくても、毎日をふつうに暮らして、その中にささやかな楽しみを見い出せる人が、豊かな人なのではないかなと思っています。
by an (2007-11-08 20:09) 

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