So-net無料ブログ作成

不登校、学力不振の生徒の進路について考える [受験・進路]

今回のチャレンジ高校の受験結果から、また、アンがチャレンジ高校を受験する生徒と関わるようになって10年目を迎えたことから、不登校や学力不振の生徒の進路について、改めて考えてみたいと思いました。

不登校や学力不振の生徒の進路について考えるとき、まずは次の3点から考えていくと、答が見つかりやすいのではないかと思っています。

①学力――学力について考えるときに、避けて通れないのが学校の成績です。最近は、内申書重視の傾向があり、オール3以下では、公立高校を受験するのが難しくなっています。私立高校はどうかといえば、近年の少子化の影響もあり、進学実績を上げないと学校の存続が危ぶまれるという状況もあってか、少しでも優秀な生徒を確保したいというのが、学校側の正直な気持ちと言えそうです。
そのような状況の中で、内申点が取れない不登校や学力不振の進学先は限られていると言わざるをえません。

不登校の生徒の学力不振には2つのタイプがあると思います。1つは、不登校になる前は成績も普通以上で、勉強が好きとは言えないまでも嫌いではない生徒です。このタイプは、学校に行かなかった期間の学習がわからなくなっただけで、抜けていた部分を補えば出来るようになる生徒です。
もう1つは、小学校高学年から、または中学に入学した頃から、学校の授業についていけずに、勉強に対しての拒否反応も強い深刻な学力不振の生徒です。具体的な例としては、中学1年の2学期以降から徐々に成績が下降していき、5教科の綜合点が100点に満たない生徒ということになるかと思います。

けれど、学力は測れるものではなく、「見えない学力」というのも存在すると、アンは思っています。一般的に学力というと学校の成績ということになりますが、現在の学校教育では、暗記が得意な生徒が学校の成績が良く、暗記の苦手な生徒が悪いという側面が色濃く出ています。
自分の頭で考えることや、言語能力はあっても、学校の成績は良くない生徒、反対に暗記が得意で学校の成績はいいけれど、自分の頭で考えることが苦手だったり、自分の意見を持たない生徒もいます。

また、学力や勉強の出来不出来は生徒の一側面に過ぎないことも忘れてはならないことだと思っています。得意なことや夢中になれるものを持っていたり、性格が良かったり、手先が器用であったり、運動が得意であったり等々、評価出来るものを生徒はそれぞれに持っているはずです。

学力だけで評価するのではなく、それぞれが持っている個性や特性を引き出したり、認めたりして、伸ばしてくれる学校が一番だと思います。


②生徒自身の性格や特性

生徒自身のやる気や根性はとても大切だと考えています。深刻な学力不振であっても、やる気や根性さえあれば道は拓けるからです。逃げたり、あきらめる癖をつけないようにしてほしいものです。

体調面や精神面を考慮することも重要です。
もともと体が弱くて学校を休みがちであったり、不登校のためエネルギーが減少していて疲れやすくなっている生徒は、高校に通う気持ちがあっても、思い通りにいかない場合もあります。
また、いじめなど精神的トラウマを抱えていたり、人一倍傷つきやすかったり、人からどう思われているかを極端に気にする生徒も、高校入学と同時に毎日学校に通うことは難しいかもしれません。

生徒本人だけでなく保護者の方も、生徒の体調や精神面をよく把握しておく必要があるかと思います。


③学費について

高校の学費も学校選びには避けて通れない課題になります。都立のチャレンジ高校、エンカレッジスクール、通信制高校、定時制高校なら学費はそれほどかかりませんが、私立の通信制サポート高校となると授業料が年間100万円程度かかるのが相場のようです。
これは私立高校より高額で、経済的に余裕のある家庭はともかくとして、一般のサラリーマン家庭にとっては厳しいのではないかと想像しています。それでもわが子のために何とか授業料を工面するか、公立の高校に限定するか、予め保護者が態度を明らかにしておくべき問題かもしれません。

なお、まだ情報を集めている過程でしっかりと把握しているわけではありませんが、同じ私立でも通信制高校は、都立高校と通信制サポート高校の中間程度、あるいはそれ以下に収まるかと思います。


次に不登校、学力不振の進学先についても、アンなりの見解を述べてみたいと思います。(アン独自の意見なので客観性に欠けることをお含みおきください)


❶都立チャレンジ高校
家庭塾が都立チャレンジ高校の受験生を中心に指導していることもあり、不登校、学力不振の進学先として最初に思いつくのが都立チャレンジ高校です。六本木高校、大江戸高校、稔ヶ丘高校、世田谷泉高校、桐ヶ丘高校の5校があり、学校の雰囲気も、学習の内容もそれぞれ特色があります。内申書が不要で、事前に提出する自分で書く1200字~1500字程度の志願申告書と、試験当日の作文と面接、合わせて1250点満点で男女関係なく、上位の生徒から合格が決っていきます。

もともと不登校の生徒のために作られた学校なので、高校入学後の勉強も中学から遡ってやってくれるので、なるべく休まないで、まじめに授業を受けていれば卒業は出来るはずです。最長6年まで在籍できるのですが、3年か4年で卒業する生徒が多いようです。
午前部、午後部、夜間部の3部制になっているので、朝が弱い生徒は午後部や夜間部を希望することも出来ます。また、単位制なので留年がなく、74単位を修得すれば卒業出来ます。
普通科ではなく、総合学科なので選択科目も多く、自分に合う科目を多く選べば、成績も取りやすいというメリットもあるかと思います。
さらに一般の高校より、先生方の配慮も行き届いているので、安心して通える学校といえそうです。

ただ、ここ2~3年、今年は特に感じたことなのですが、大江戸高校が進学支援型チャレンジスクールを打ち出していることからもわかるように、どのチャレンジスクールも、進学に重きをおくようになり、能力のある生徒を集めようとする傾向が強くなってきているように感じています。
以前から、不登校の生徒より、学力不振の生徒の方が合格の可能性は低いと思っていましたが、上記の「学力」で触れたような深刻な学力不振の生徒は、仮に合格出来たにしても、やる気と根性がないと続けられなくなるかもしれません。

チャレンジ高校の競争率は横ばい、あるいは下がってきているのに、作文の課題や面接試験も難しくなっています。
学校の雰囲気や授業の内容、経済的負担を考えれば、不登校、学力不振の生徒にとってチャレンジ高校はオススメの高校だと思っていますが、倍率が低くても1,3倍、高いところでは2倍強あるので、合格するのが難しい高校とは言えないまでも、誰でも入れる高校ではないことも頭に入れておく必要はあるかと思います。


❷都立の通信制高校及び私立の通信制高校

都立では新宿山吹高校、一橋高校、砂川高校の3校があります。内申書も必要ですが参考にする程度だと考えられます。試験は国語、英語、数学の3教科で、60分から70分程度で3科目全てをやるようですから、基礎的な問題に絞られるのではないかと思います。(想像です)

学習方法としては、年間で決められた数のレポートを提出し、年間で20~24日登校して授業を受け、前期、後期の試験で一定以上の成績を取れば卒業出来ます。
学費も安く、就学支援金を利用すれば家計に負担がかからないのがメリットです。

他方、私立の通信制高校は数多く存在しますが、東京にあり校舎もグランドもあって学校の雰囲気のする高校となると、東海大学付属望星高校、NHK学園高校、科学技術学園高校、北豊島高校、国士館高校、日出高校、立志舎高校他、数は限られてくるかと思います。

都立の通信制高校と同様に、レポート提出、スクーリング、単位認定試験が義務づけられています。
家庭学習が基本となることに変わりはありませんが、立志舎高校のように毎日通う通信制もあれば、週に1~4回登校する高校もあります。また、放送視聴や、ネットで授業を受けられるケースもあります。
授業料も一般の私立高校と同じくらいか、それよりも安く設定されているようで、今年から週3日の登校コースが出来たNHK学園高校を例に取ると、50万円弱となっています。

都立、私立どちらの高校も難点は、家庭学習が基本になるので、目標を持ち、しっかりとした意志をもたないと卒業するのが難しいことです。毎日登校しなければいいからといって、レポートを溜めすぎてしまったり、スクーリングをさぼってしまうと卒業できなかったり、卒業が長引いてしまいます。

けれど、人間関係が苦手な生徒、やる気のある生徒、勉強が嫌いではない生徒には向いていると思います。

❸通信制サポート高校

通信制サポート高校は全て私立です。通信制サポート高校に籍を置いている生徒のために、通信制高校に提出しなければならないレポートの指導をしてくれる塾のような学校ということになるかと思います。
学校の形態も、小規模の学校タイプのものからビルの中にあるものまで様々です。

授業料も年間100万円程度、あるいはそれ以上かかる学校もあり高額ですが、不登校で学習が遅れてしまった生徒や、勉強が苦手で、1人で学習することが困難な生徒には合っているかと思います。
また、勉強だけでなく、生徒の得意なことや、個性を伸ばしてくれる学校もあって、そうなると生徒もやる気が出て、自信もついていくので、高額な授業料も無駄ではなかったということになるかと思います。
けれど、通信制サポート高校は数も多く、玉石混合だと思いますので、授業料に見合うだけの内容が伴っているかどうか、保護者の方は、実際に学校に足を運んで、先生の話を聞いたり、生徒の様子を観察したりして、慎重に選ぶことが大切だと思います。


❹都立高校の夜間定時制

都立高校の定時制は徐々に廃止される動きがあるようですが、経済的負担を考慮して、都立の方がいいと思われる場合は、定時制を選ばれるとよいと思います。不登校の生徒もいれば、昼間働いて夜学校に通って来る年上の生徒もいると思いますが、卒業出来るまで通い切る、やる気や根性はその後の人生に必ず役に立つはずです。

他人と比べず、与えられた環境の中で自分なりに納得のいく高校生活を送ってほしいと思います。


共通テーマ:学校