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家庭塾卒業後の生徒たち(2) [生徒]


前回のブログの続きです。

2人目は、2015年「チャレンジ高校受験を振り返って(2)のA子ちゃんです。

A子ちゃんとは、昨年、チャレンジ高校に入学したての頃は、家庭塾で「不登校の生徒のしゃべり場」的なものをやっていて、そのメンバーにもなっていたので話を聞く機会もあったのですが、それからすぐに連絡が取れなくなって(メールアドレスが変わったためで、よくあることなのですが)、気になってお母さんにメールしたところ、お母さんから折り返しの電話があり、親子で近況報告に見えたのです。

昨年から、夏の短い期間だけ、花屋やでバイトしているというA子ちゃんは、手づくりのフラワーアレンジメントを持って来てくれました。アンが5月に鎖骨と肋骨を骨折したことを知って、そのお見舞いだというのです。この時期に、アンの体はすっかり回復していたのですが、思いがけないA子ちゃんとお母さんからのプレゼントに気持ちがふぁ~っと柔らかくなりました。うれしかったです。ピンクをベースにしたやさしい花々でした。

チャレンジ高校受験の折りには、お母さんやアンは、出来ることなら午前部か、午後の部に行ってほしいと思っていたのですが、Aちゃんは自分の意思を貫き通しました。結果は正解だったようです。夜間部が合っていたようで、午前部や午後部は賑やかすぎて、もしそこに入っていたらやっていけなかったかもしれないと言っていました。
先生方もいいそうです。

受験の時から、高校に入ったらアルバイトをして、早く自立したいと言っていたA子ちゃんでしたが、それは実現出来ていました。
夏の花屋さん以外に、週に何日か、学校に行くまでの時間、飲食店で働いているそうです。
バイト先も簡単に決まったわけではなく、面接もかなり受けたと言っていました。採用する側の基準がわからないだけに、続けて落ちるとへこむものですが、アンの知らないところで、A子ちゃんは頑張ったのだと思います。

チャレンジ高校は出席率が大事なので、それを尋ねたところ、バイトは休まないけれど、学校は時に休むことがあるとのことでした。バイトを終えてから学校に行くので、バイトのある日は休まないそうです。
欲しいものが沢山あるようで、そのためのお小遣い稼ぎかと思いますが、頼もしい限りだと思いました。
職場の雰囲気は悪くないようですが、それでも働いてお金を得るのは楽なことではないので、その大変さは想像出来ます。
人前に出ることが苦手で、繊細な神経の持ち主であるA子ちゃんならなおさらのことだと思います。

A子ちゃんは大人びたきれいな子で、自分の意見もしっかり持っていて、それを自分の言葉で表現出来るので、同年代の子よりしっかり見えます。
それだけに、内面の弱さや、相手の身になって考える本当のやさしさ、深さが、わかりづらいところがあります。
元気そうにしていても空元気であることが時に感じられます。
つらいのに何でもない振りをしたり、泣きたいのに強がってしまうところは変わっていないように感じられました。
人に弱みを見せたり、素直に甘えられるようになると、A子ちゃん自身、もう少し楽になる気がしています。

アルバイトまで出来るようになったのだから、もう大丈夫ということではなく、無理をしないで少しずつ進んでいってほしいと思いました。
A子ちゃんが望んでいる自立も、ずっと先のことにして、その時期が来るのを待つのが一番かもしれません。

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3人目は、今から10年前、家庭塾を本格的に始める前に大学受験で現代文を教えた(ブログでは「読み、書きから大学入試へ」で紹介した)Kちゃんです。
彼女は不登校や学力不振ではなく、中堅の私立高校で3年間部活に明け暮れていたため、受験勉強に出遅れてしまい、浪人することになった生徒でした。
小学校の先生になるのが夢だったのですが、やる気がイマイチだったことと、文章を読んだり書いたりすることが苦手とのことで、知り合いの家庭教師の先生から頼まれての仕事でした。
受験が近づいても、出した宿題をやってこないなど、甘いところが多々見受けられたので、「国立はとても無理だから、私立だけにしなさい」と本気で叱り、泣かせてしまったことも今となってはなつかしい思い出です。

そんなKちゃんも、今では立派な小学校の先生6年目で、去年、家を出て、本当の自立を果たしました。
小学校の先生は仕事が多くて大変だとよく言われていますが、Kちゃんも朝8時前に家を出て、家に帰るのは毎晩9時過ぎだといいます。
それでも、全くグチや泣き言を言わないのは、無理をしているのではなく、先生という仕事が本当に好きなんだと思います。
会う度に、生徒たちがかわいいと言っています。特に気に入った生徒も、合わない生徒もいなくて、みんな一様にかわいいそうです。
若くて、きれいで、威張ったところが全くないKちゃんは、きっと生徒からも慕われていることでしょう。

以前は、生徒や父兄よりも職員室の人間関係の方が大変だと言っていましたが、今は問題のある先生のもとで、学級崩壊に陥っている隣のクラスの生徒のことに心を痛めています。担任ではなくても、これまで教えた生徒も含まれているからだと言っていましたが、恵まれない家庭環境の子や、その親のフォローもしているのは、Kちゃんの人間的な温かさからだと思います。

結婚の予定についても尋ねてみました。「彼とは別れました。頼りなく思えてしまって。頼りなかった私が、こんなことを言うなんてと思われるかもしれませんが…」
確かに、出会った頃は、Kちゃんは本当に頼りない感じで、性格の良さは保証出来るものの、やんちゃな男の子や、きつい感じの保護者に対応出来るのかと、アンも内心では心配していました。

けれど、付き合っていた相手のことを頼りないと思えるほど強くなったのだと思いますし、沢山のつらいこと、苦しいこと、悔しいことを経験しながら、負けなかったからだと思います。

K子ちゃんが生徒だった頃は、あまり意見を持たない生徒だったので、アンが一方的に話していましたが、今ではKちゃんの話を聞くほうが多くなっています。
一人ひとりの生徒や保護者と真摯に向き合っているKちゃんの話は共感出来きますし、時間を忘れるほど楽しく、また、教えられることも多々あります。

Kちゃんはまだアンを先生と思ってくれているようですが、アンにとっては年の離れた友達、話し相手という感じです。