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学校という組織(都立チャレンジ高校) [アンおばさんの教育ミニコラム]

アンはこれまで、不登校、学力不振の生徒の進学先としてはチャレンジ高校が一番だと思っていました。おとなしく真面目な生徒の多い、雰囲気のいい学校で、都立なので保護者の経済的な負担も少なく、過去は問わずにこれから頑張ろうとしている生徒を応援する学校だと認識していたからです。

アンの家庭塾に来なくても合格する生徒はいくらでもいると思いますが、縁あって来てくれた生徒に対しては、不登校なら、まず自分の家から外の世界に出て、家族以外の他人と関わりを持つこと、きちんと通ってくることで高校に通える下地を作ってほしいと思っていました。受験に必要な志願申告書や作文、面接の練習は次の段階になります。
学力不振の生徒なら、まず机に向かって勉強する習慣をつけること、勉強に対する抵抗感を志願申告書や作文の練習をすることで少しずつ減らしていくことをテーマにしていました。勉強嫌いで、1日に30分勉強するのも苦痛なようでは、チャレンジする生徒を求めているチャレンジ高校には合わない生徒だと思っていたからです。

その観点から見れば、家庭塾で頑張った生徒は自信をもってチャレンジ高校に送り出せるし、チャレンジ高校もそのような生徒のためにある高校だと考えていました。

ところが、ここ2、3年は、アンのチャレンジ高校に対する印象が変わってきています。設立当初のチャレンジ高校の理念が薄らいできているように感じられるのです。

学校の先生になった元生徒から、学校にとって一番大事なのは、1に組織、2に学年、3にクラス、4に生徒と聞いたことがありますが、チャレンジ高校は一般の高校と違い、1に生徒とまではいかないまでも、生徒を大事にしてくれる学校だと思っていました。
それが一般の高校と同じように、組織を優先するようになってきたような気がしています。学力にシフトして大学への進学率を伸ばしたり、学力不振よりも頭のいい生徒を多くとって、学校の評価を上げることを優先したり(これが生徒のためなら全く問題はないのですが、落ちこぼれや、卒業出来ない生徒が増えていくことにもつながっていきます)、全日制からの先生が以前より多くなり、生徒に情熱をもって向かう先生が少なくなっている印象を受けます。中には、チャレンジ高校に不本意ながら赴任して、生徒に偏見を持っていたり、やる気の感じられない先生もいるという声を卒業生や在校生、保護者から聞く機会も増えてきました。

7年ほど前に、アンが手に入れた情報によると、チャレンジ高校が求めている生徒は、本気で入学したいと思っている生徒、頑張る気持ちのある生徒でした。そのために受験に必要な志願申告書や作文、面接も建前ではなく、本音と本気で向かえば合格出来るという印象でした。
けれど、生徒一人ひとりより、一般の高校と同じように組織第一で、本音や本気よりも建前が重視されるようになってきたように思います。

具体的には、不登校の生徒なら、これまで朝起きられなかったり、昼夜逆転していたり、ゲームやSNSで1日の大半を過ごしていたとしても、「入学したら、毎日、学校に通えますか」と問われたら、「はい」と答えられる生徒。学力不振で、これまで家でほとんど勉強してこなかった生徒でも、「入学したら、一生懸命に勉強します」と、言える生徒です。嘘は見抜かれてしまいますから、自信がなくても、目に力を込めてやる気を示せばOKです。
上手な演技が出来ればいいということになるかもしれません。

上記の例はアンの推測にすぎませんが、全く的が外れていたとしたら、その方がアンにとってはうれしいことです。
チャレンジ高校が組織を重視する一般の高校に近くなって来ているとしたら、そこに向けて生徒と共に努力しようとする気持ちも半減します。

今年、チャレンジ高校に不合格になった生徒の作文の評価があまりに低かったこと(面接はともかくとして、過去問に準じた問題ならこれまでの生徒はかなりの得点を取れていたし、今年の生徒はもともと作文が不得意ではありませんでした)、彼が受験した組織としての学校に合わなかったと判断されたのではないかと感じられたこと、春休み中にチャレンジ高校をやめたいと相談に来た生徒が出たこと(学校の体質に嫌気がさしているようでした)も、アンの気持ちの変化に関係があると思っています。

それでも、これからもチャレンジ高校の受験を希望する生徒には、これまでと変わらずにやっていきたいと思っています。
ただ、本音より建前を重視したり、合格するために嘘を教えたり、演技することを指導の柱にはしたくないと思っています。

繰り返しになりますが、不登校の生徒なら、家庭塾に通って来ることで少しずつ活力を取り戻し、高校で再び不登校にならないようにすること、学力不振の生徒なら、家庭塾で勉強に向かう姿勢や態度を身につけ、嘘ではなく、「高校に入学したら勉強も頑張る」と言える自分を作ってもらうことです。 そうでないと、チャレンジ高校に合格しても、なかなか卒業出来なかったり、卒業出来たとしても、その先の進路は危ういと思っているからです。


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