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合格の知らせ [生徒]

チャレンジ高校の試験まで1ヶ月を切り、生徒たちにとってもアンにとってもハードな日々が続く中、一足早く生徒のお母さんから以下のような合格の知らせが届きました。

お母さんからのメール

おはようございます。
ご心配おかけしましたが、第一希望の高校からの合格通知が今、速達で届きました。
子育ては続きますが、肩の荷がおりました。
苦しい時期に支えていただき、本当にありがとうございました。
今週末は親子で笑顔で伺わせて下さい[わーい(嬉しい顔)]


夕方になって学校から帰ってきた生徒本人のSちゃんからも喜びの電話をもらいました。
Sちゃんのことは以前のブログにも書きましたが、千葉から2時間近くかけて、週に1度通って来ていた女の子です。
「家庭塾」には、約2年間通い続けました。

千葉県にはチャレンジ高校のような学校がなく、内申点を取らないことにはどうにもならないという教育環境が親子を追い詰め、この2年間の苦しみは大変なものでした。
家庭塾に通い始めて最初のうちこそ成績が上がったものの、その後は思うような結果が出せずに、アンも幾度となく無力感を味わいました。
思春期の女の子なら多かれ少なかれ持つ感情だと思うのですが、Sちゃんにはおとなしい自分から元気な自分、目立たない自分からクラスのみんなに認めてもらいたいという強い願望がありました。そのことが気になって今ひとつ勉強に身が入らないということはあったように思います

けれど、SちゃんもSちゃんのお母さんも決して投げ出すことはしませんでした。Sちゃんのお母さんは、フルタイムで働きながらSちゃんの勉強を見続け、Sちゃんもお母さんに怒られ続けながら、カメのような歩みを続けていたのです。

Sちゃんは最近まで、地元にも塾があるのに多くの時間をかけて練馬のアンの塾に通っていることを恥ずかしいことだと思っていました。
アンはそのことを何よりも偉いことだと思っています。
いやだと思ったことも、面倒くさいと思ったこともあったはずです。
まじめで疑うことを知らないSちゃんだからこそ出来たことだと思います。

時には親子で互いの存在を疎ましく思ったことがあったことも、アンは知っています。
それでも二人三脚でお母さんと頑張ってきたことが、合格につながったことは間違いないことです。
アンにとっても本当にうれしい知らせでした。
高校デビューを期待したいです。


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2011年、年頭に寄せて [生徒]


喪中のために、昨年に引き続いて年賀のご挨拶はできませんが、年の初めのブログは、暮れに届いた生徒からのうれしい報告から始めたいと思います。

約5年ほど前に「家庭塾」に通って来ていた生徒が東京都の「教員採用試験」に合格して、この春から小学校の先生になるというメールが届きました。
当時はまだ「不登校、学力不振のための家庭塾」ではなく、その前身となった「読み、書き、計算」の塾を立ち上げたばかりの頃でした。
彼女は元々教員志望で、小学校の先生になりたいと思っていたのですが、その前年に受けた教育学部のある大学の試験には全て不合格になっていて、特に国語が苦手なので基礎から指導してほしいとのことでした。

授業を始めてすぐに読解力がないこと、人の話に耳を傾けることは出来るけれど自分の意見を持っていないことがわかりました。そのために、最初は灰谷健次郎の「兎の眼」を要約することから始め、段階的にレベルを上げていって、最終的にはセンター試験の「現代文」でかなりの得点が期待できるところまでいきました。

それでも彼女には人任せのところがあって、1浪してもう後がないと言うわりには、受験に臨む姿勢に切迫感が感じられませんでした。
受験間近になってもその姿勢は変わらなかったので、彼女を泣かせてしまうほど厳しい態度を取ったところ、負けず嫌いの性格が幸いしてか、それからは無我夢中で勉強するようになりました。
そして、第一志望の国立大学には不合格になったものの、教員採用試験では合格実績の高い私立大学に合格し、当初の目的を果たすことができました。

子どもが好きで、性格のよい彼女には小学校の先生は向いていると思いながら、どことなく頼りなげで素直すぎる性格では教師としてやっていけるのかという不安も、当時のアンは持っていました。
ところが、彼女は大学4年間ですっかりたくましくなっていたのです。
大学2年の時に、一度は教師への道を断念しようと思ったこともあったといいますが、母校にボランティアとして通ううちに、子どもと触れ合うことの楽しさを実感し、その後は夢の実現に向けて頑張ったようです。

難しいことや悩むことも多かったといいます。それでも、子どものちょっとした変化が見られたり、笑顔が見られたりすると、とても嬉しく思うのだそうです。
アンにとっては、教え子が先生になること自体、すごくうれしいことです。希望と勇気をもらった気がします。

繰り返しアンのブログを読んでくださっている読者の方々にも、アンにとっても、今年が希望に満ちた年になることを願ってやみません。
今年は「家庭塾」に加えて、アンも目標を設定しながら自分のやりたいことにチャレンジする年にしようと決心したので、ブログの更新もさらに滞りがちになるかと思いますが、これまで通りお付き合いいただければと思います。


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家庭教師終了 [生徒]

数ヶ月前には「学校に行きたくない」とメールで訴えてきた6年生のRちゃんでしたが、夏休みに入る直前にアンの家庭教師としての役目が終了しました。
「さようなら不登校」のAyuちゃんと同じようにアンが傍についていなくても、自分で決断し、自分の足で歩けるようになったからだと思います。

アンが行き始めた1年前はクラスの友達関係に悩んでいて、それが体の不調にも現れたりして、お母さんに当り散らすことも多く、ご両親も手を焼いている状態でした。
勉強については算数が苦手とのことで、Rちゃん自身も「私は頭が悪い」と言って、そのことに劣等感を持っていました。
けれど、算数は嫌いなだけで、理解力もあるし思考力もあったので、精神的なことがなければ塾でも十分にやっていける子だと思っていました。事実、アンがRちゃんの家に行くのは隔週だったのに、1ヶ月ほど経った頃にはテストの成績も目に見えてよくなっていったからです。

問題は友人関係でした。Rちゃんは自分の考えをしっかり持っている子で、権威主義的な担任の先生にも反発する態度を見せていたので、クラス内では目障りな存在ではあったようです。
逆上がりが出来ないRちゃんに対して、先生は「がんばって」と声援を送るのではなく、「どうせ、練習しても出来るようにならないわよ」とクラスメートの前で言い放ったというのですから、ひどい先生だとアンも思いました。
担任の先生のことだけでなく、クラス内の友達関係のことも一人一人名前を出してもらいながら、毎回Rちゃんと話をして、その度ごとに対処法や解決策をアドバイスしていました。

6月になると、Rちゃんははじき出されているグループに入ることをあきらめ、まだグループに属していなかったSちゃんと友情を深めるところまで進んでいて、彼女と同じ個別指導塾にも通い始めました。
理解力はあっても勉強嫌いで、根気と集中力が続かないRちゃでしたが、Sちゃんと2人で指導を受けるようになったことで、忍耐力もついてきたようです。

精神的にかなり落ち着いてきたし、友達関係もよくなって、担任の先生との問題もご両親が校長先生と話をしたことで解決していたので(非常に珍しいケースだと思いますが…)、Rちゃんがアンから卒業出来る日も近いと思っていました。
Rちゃんの立ち直りを実感出来たからです。
この1年間、ご両親も本当によくRちゃんの気持ちに寄り添っていて、それがRちゃんが元気になった原動力になったと思います。

それでも、精神的にはまだアンが必要だというRちゃんの言葉にご両親も従っていたのですが、塾の夏期講習も受けるとのことで、7月いっぱいでRちゃんの指導は終わりました。
ああでもない、こうでもないとあれこれ考えすぎて心がパンクしてしまうことが多かったRちゃんでしたが、いろいろと経験してそれを一つずつ乗り越えていったことで、気持ちの切り替えボタンがうまく作動するようになったのだと思います。
最近になっても、「宿題がたくさんあってヤダ」とか「お母さんと冬の服を買いに行ってきました」とか、たわいないことでよくメールをしてきますが元気にやっているようです。
そんなこんなで、家庭教師としては終りですが、Rちゃんとの付き合いは当分続きそうな気がします。


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梅雨の晴れ空に [生徒]

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6月のある日曜日、今年のチャレンジ高校の受験生Y君、Uちゃん、Aちゃんが久しぶりに家庭塾に集まりました。昼食を食べながら会話が弾み、楽しいひと時を過ごしました。
家庭塾を卒業してからまだ3ヶ月余りしか経っていないのですが、わずかな間にそれぞれが成長しているように感じられました。
何よりもうれしかったのは、3人共、明るい顔をしていることでした。

まずY君ですが、入学したチャレンジ高校は相変わらず楽しいらしく、入部したバスケット部ではすでにレギュラーになっていて試合にも出ているそうで、今は部活が一番楽しいと言っていました。
授業は時にさぼることもあるようですが、中1の終りから不登校になったことを考えれば、毎日学校に通っていること自体認められるべきことだと思います。中学は居心地が悪かったけど、進学したチャレンジ高校の自由な雰囲気がY君には合っていたようです。
一方で、Y君は礼節を重んじるタイプで、友達が先生にため口をきいたことに対しては腹を立てていました。「親しい仲にも礼儀あり」という言葉がありますが、Y君はそれを芯に持っている男の子です。
勉強については、最初はやさしかったけれどだんだんと難しくなってきて、簿記の中間テストの点数だけ教えてくれました。今のところ勉強についてのやる気はイマイチですが、Y君自身も公言しているように、やる時はやるタイプなのでその時になったら力を発揮するのではないかと思っています。

Uちゃんはこの日の集まりの中心でした。次から次へと話題を提供して尽きることがありません。それは入学した私立高校でも言えることで、クラスメートからも一目置かれる存在のようです。
入学当初に比べると友達関係の不満も出てきたようですが、そこはUちゃん自身が成長したことでうまく折り合いをつけていけるのではないかと思います。以前はピュアなだけだったけど、今はそうでもない部分も出てきたと自己分析しているのも、頼もしいことでした。
部活の軽音楽部ではボーカルを担当しているそうで、機会があればアンも聴かせてもらいたいと思っています。
中間テストでは数学の点数がよかったそうですが、どの科目も基礎に重点をおいているとのことでつまずく心配はないようです。
友達思いでやさしいUちゃんですが、それも程々にして、誰よりも自分を大切にしつつ、今の元気さがずっと続くといいなと思っています。

3人の中ではAちゃんの印象が一番変わったように見受けられました。硬さが取れて表情がやわらかくなったからだと思います。
家族以外は人と接するのが苦手だというAちゃんが、これまでに一度しか会っていなかったY君やUちゃんと会う気になって、会話の輪の中に入っているのも数ヶ月前なら考えられなかったことです。しかも、3人で会いたいと提案してきたのもAちゃんです。
進学先のチャレンジ高校では友人関係に葛藤はあるものの、信頼出来る友達も一人は出来たとのことで何よりだと思います。
部活は音楽部に入ったものの人数が多すぎて、その後すぐに運動部に入り直したそうです。
Y君同様勉強に対してはやる気が起きないらしく、中間テストはまだとのことでした。
中学時代の時たま不登校を在学中に自分の力で克服したAちゃんは、自分で思っている以上に明るくエネルギッシュな女の子なので、高校では本来の自分を少しずつ前に出せるようになればいいなと思っています。

3人との付き合いはこれからも続くと思いますが、どんなふうに成長していくかとても楽しみです。
また、高校で知り合った友達は一生の友になるので、家庭塾で知り合ったことをきっかけに、3人が友情を育んでくれればいいなと思っています。
ちなみに上の絵手紙は、何十年も付き合っているアンの高校時代の友達が描いたものです。


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高校入学後の生徒たち ――チャレンジ高校に入学したAちゃん―― [生徒]

チャレンジ高校受験を振り返って(3)のAちゃんからは頻繁に電話がかかってきています。
困っている時や落ち込んでいる時、さらには気持ちがパンクしそうでどうしてよいかわからない時などです。
ひと通り話を聞いていると落ち着いてきて、最後には元気になっているのですが、今はまだその繰り返しです。

Aちゃんは小学校の低学年の頃から対人関係に不安を抱えていて、人前に出ると顔が硬直してしまい、「変な顔の女の子」と周囲からも見られていました。
けれど、高校に入学して環境が変わったら、誰とでも話が出来る積極的で明るい女の子になって、楽しい高校生活を送ろうと心に描いていました。
ところが、現実はなかなか思うようにはいかずに、再び友達関係で悩む日々が多くなっていきました。

とはいえ、これまで通っていた私立中学に比べれば進学先のチャレンジ高校ははるかに雰囲気がよくて、入学後ひと月も経つと、何でも話せる仲良しの友達も出来たということでした。
入学したら音楽がやりたいと言っていたのですが、その言葉どおりに、部活も音楽部に入りました。
チャレンジ高校に入れてよかったと、Aちゃん自身も語っていました。

それでも、中学時代は時たまの不登校を繰り返し、卒業間近になって必死の覚悟で毎日学校に通い続けていたAちゃんが、高校に入学したからといってそう簡単に違う自分になれるものではないと思っていました。
10日ほど前の夜遅く、Aちゃんから涙声で電話がかかってきました。心がパンクしそうでもうダメという感じでした。
何が原因なのかというと、友達みんなを受け入れすぎて身が持たなくなったというのです。
Aちゃんはみんなのことを受け入れて「うん、うん」という感じで黙って聞いているのに、みんなは自分勝手にそれぞれ自分の言いたいことだけ言って、Aちゃんの話を聞いてくれないので、それで不満が溜まっていったようです。
相手を制してでもAちゃんも自分の言いたい事が言えればいいのですが、やさしくて大人しめの女の子というのは、どうしても相手の言い分や要求ばかりを聞いてしまって、自分はいつも後々になってしまいがちです。そうなると、自分が周囲から認められない、つまらない存在に思えてきたりもします。
実際には、「私が私が」と自分を主張して、相手の話を聞かずに自分の言いたいことばかり言っている女の子より、Aちゃんの方がはるかに好感がもてるのですが、当の本人にしてみればそうも思えないのだと思います。
相手側に「Aちゃんだって言いたいことがあるはずだし、自分の気持ちをわかってもらいたいと思っている」という想像力が働けばいいのですが、みんなも自分のことに精一杯なので、それは期待出来そうもありません。

そして、また昨日も、Aちゃんから電話がありました。
Aちゃん自身は、高校に入学してからもこれまでの自分とあまり変わっていないと思っているようですが、この2ヶ月間でずいぶん変わったなと思います。
一番の変化は、人前で硬直してしまう自分の顔を隠すという姿勢がなくなったことです。これまで7年間も顔、顔と、顔のことだけを考えて過ごしてきたのに、チャレンジ高校では「別に、どう思われてもいい」と開き直れるようになってきたと言います。
あれほど拒否感の強かった中学の時の在籍校にも出掛けて行って、附属高校に進学した友達にも会ったりしています。

受験間近に飛び込んで来たAちゃんだったので、アンとの付き合いは1ヶ月ほどなのですが、短期間のうちに自分をさらけ出して、何かあった時には助けを求めて連絡してくるAちゃんもいいなと思います。徒に悩み続けているだけでなく、すぐに解決に向けて動き出すからです。おとなしいだけの女の子ではなくて、本来的には明るくて活発な女の子だと思います。その部分が、幼い時期のお母さんの死も含めて隠れてしまっているだけで、少しずつ本来的なものが表に出てくるのではないかと思います。
それには頭であれこれ考えすぎないで、どんな小さなことでもいいので行動を起こすことです。手始めに、今は、クラスで感じのよさそうな男の子にさりげなく「おはよう」と言えるようになりたいそうです。
アンも応援したいと思っています。


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高校入学後の生徒たち ―私立高校に入学したUちゃん― [生徒]

チャレンジ高校受験を振り返って(2)に書いたUちゃんからは電話をもらいました。
アンが心配しているのではないかと想像して連絡してきてくれたのですが、中学時代のことが嘘だったかのように楽しい高校生活を送っているとのことで、そのことは弾んだ声からも伝わってきました。
中学の時はクラス内でもはじかれる方だったのに、進学した私立高校ではUちゃんの周りに友達が集まってくるというのです。また、先生方もやさしくて、5月の連休中には直接に様子を尋ねる電話がかかってきたといいます。中学まで不登校だった生徒もいるので、連休を境にまた学校に来られなくならないようにとの配慮からのようでした。

出来ることと出来ないことの差が著しいUちゃんだったので、高校に入ってからの勉強のことが一番気になっていたのですが、Uちゃんによれば、先生の教え方がすごくわかりやすくて、教科の勉強もやさしいとのことでした。いきなり高校の学習内容に入るのではなくて、中学以前の勉強から遡ってやっているようです。
一般的に言えば、高校の勉強は中学とは比べものにならないほど難しくて、その割には将来に役立たないものが多いのですが、そんな中で、いたずらにわからない勉強をするより、高校で基礎の基礎をしっかり固めておく方が大事なのではないかとアンは思っています。
それでは大学入試には対応出来ないでしょうが、本人のやる気の問題が大きく関わってきますし、難関高校に通っている生徒も塾に行っている現実を考えれば、さほど問題にはならない気がします。

Uちゃんの高校にはどのようなタイプの生徒がいるかというと、不登校の生徒もいるけれど、人間関係に不安を抱える生徒が多いとのことでした。
現在の高校生活で、Uちゃんが困っていることを敢えてあげるとするなら、友達に頼りにされすぎて重くなることがあるということでした。これまでの友達関係で傷ついてきた子や、自分を否定して過ごしてきた子とかがいて、そんな友達の気持ちが、過去の自分と照らし合わせてUちゃんにはよくわかるので、それで頼りにされるのだと思います。また、元気がなさそうな人を見ると、放っておけないUちゃんの性格も関係しているのでしょう。

自己肯定感の少ない友達に対するUちゃんの言葉かけや態度にも感心させられます。とにかく説得力があるのです。
1年前までは、Uちゃん自身も自己否定感が強かったのに、信じられないくらいの変わりようです。
高校が決まるまで一波乱ありましたが、入学した高校がUちゃんに合った学校で本当によかったと思います。結果良ければ全て良しです。

付け加えると、Uちゃんは「学校に行きたくない」と言っていたRちゃんの力にもなってくれていて、アンも助けられています。
「家庭塾」は個別指導の塾なので、相互のつながりはないはずなのですが、アンの話やブログを通して、自然に交流も生まれてきています。Y君が適応教室で一緒だった友達がUちゃんと同じ高校だということもわかって、その子とUちゃんが友達になったりしています。
人との縁は不思議なもので、このように思いがけないところから繋がっていくものなのかもしれません。
ちなみに、今年の受験生だったY君、Uちゃん、Aちゃんはそれぞれ顔を合わせて話をしたこともあり、同期会も計画中です。


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学校に行きたくない [生徒]

ごく最近のことですが、6年生のRちゃんから、「明日、学校がやなんですけど、どうしたらいいですか」というメールをもらいました。
その前日はアンが家庭教師として行ったのですが、Rちゃんは、クラス内の友達関係が最悪な状態になっていて、気持ちが荒れていました。いつもはいろいろ話しを聞いているうちに元気を取り戻して、出来るようになっても嫌いであることに変わりはない算数の勉強にも取り組む意欲を見せるのですが、この日ばかりはそうはいきませんでした。
そんな状況下でのメールだったので、アンもどう返事をしたらよいものかと考え込んでしまいました。

わかっていることは、Rちゃんがアンに助けを求めてメールをしてきているということでした。Rちゃんが望んでいるのは、「いやなら行かなくてもいいんじゃない」というアンの言葉だと思いました。
そこでアンは、「今は学校の全部がいやなのね。だったら、明日だけ休んで、気持ちも体もゆっくり休んでみたら――でも、休む理由は、お腹がいたいとか、カゼで熱があるとかにしてね。お客様が見えていたので、返事が遅くなってごめんね」という返事を書きました。
その後すぐに、Rちゃんからは、「わかりました。ありがとうございます」というメールが来て、翌日には、何とか学校には行ったという報告がありました。
それから数日後、再び、「先生あのね、今日学校でやなことがあった」という電話があり、それについて一部始終じっくり話を聞きました。Rちゃんの気持ちをわかって、ただ聞いているだけでしたが、それで気がすんだように感じられました。

Rちゃんとメールでこれらのやり取りをする一方、Rちゃんのお父さんやお母さんとも話し合いは続けていました。
お父さんとお母さんを見ていて、アンが一番いいと思ったのは、お母さんばかりでなく、最近はお父さんも全面的にRちゃんの味方で、担任の先生に本気で腹を立てていることでした。
両親の気持ちが一致していて、2人とも「学校に行きたくないなら行かなくてもいい」と言って、Rちゃんの気持ちをわかってあげていました。
このことがRちゃんが前に進む力になったのだと思います。

アンは反対しましたが、お母さんは担任の先生にも会いにいきました。
アンが反対したのは、Rちゃんやお母さんから話を聞いた限りでは、話してわかる相手ではないと思ったからです。
生徒に対する眼差しが冷たい先生は、クラス内のいじめも助長するし、相談に行っても逆に事態が悪くなったり、肩透かしを食うだけというのが、これまでの経験から学んだことでした。Rちゃんの場合は、良くも悪くもならなかったようで、まずまずだと思いました。

そして、今日は2週間に一度の家庭教師の日でした。
Rちゃんはどうかといえば、見違えるほど元気になっていました。
なぜ、気持ちを切り替えることが出来たのかは、お父さんやお母さんやアンにも、そしてRちゃん自身にもわかっていません。
そして、今回のような大波はこれからも来ると思います。
それでも、お父さんやお母さんやアンも味方だということがわかっていて、いやなことを心に溜め込まないで吐き出すことが出来て、マイナスからプラスの方向に発想を切り替える方法を学んでいけば、これからの学校生活も乗り切れるのではないかと思っています。


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高校入学後の生徒たち  ―チャレンジ高校に入学したY君― [生徒]

生徒たちが高校に入学してから間もなく2ヶ月が過ぎようとしています。
高校に合格出来たのはよかったのですが、進学した高校でどのような生活を送るかの方がもっと大切なことなので、そのことが気になっていました。

チャアレンジ高校受験を振り返って(1)に書いたY君のお母さんからは、Y君が入学後すぐに沢山の友達を作って、楽しい高校生活を送っているというメールをいただきました。学校が楽しくて楽しくてたまらない様子で、今までになく明るい顔をしているとのことでした。学校のこともよくお母さんに話すといいます。
Y君からも直接話を聞きたいと思って、アンの方からメールをしたところ、その日のうちに顔を見せてくれました。
お母さんが言っていた通り、自分のクラスだけでなく、隣のクラスの子とも友達になって、本当に楽しい高校生活を送っているようでした。
元々、Y君は友達関係では何の不安もなかったのですが、睡眠に問題があって、家庭塾では遅刻の常習犯だったので、毎日高校に通えるかがアンの一番の気がかりでした。
ところが、Y君は3部生(夕方からのクラス)なので、その心配はなく、3年での卒業を目指して、2部の午後の授業も積極的に受けているようでした。
自分の作った時間割で授業を受けられるのは、Y君には合っていたようですが、「面倒くさがり屋」には不向きとのことでした。これまで「めんどくさい」が口ぐせのY君から出た言葉なのがおもしろいと思いました。
まじめすぎる子も合わないかもしれないと言っていました。クラスには高校中退者も少なくなく、他のチャレンジ高校から移って来た生徒もいるといいます。勉強についてはよくわかるけど、物足りないくらいだとも言っていました。事実なら頼もしいかぎりです。

中学時代の時には不登校だったY君が、高校には楽しく通えているのはなぜかといえば、中学は居心地のよい場所ではなかったけど、高校には自分の居場所があったということではないかと思います。
また、Y君は管理体制の強い学校に向かないタイプでしたが、Y君が入ったチャレンジ高校はその逆で、Y君の個性を受け入れてくれる土壌があったのだと思います。
自分に合った高校に入れて本当によかったと心から思う一方で、自由には当然責任もついてくるものなので、高校生活を十二分に楽しみながら、自分を律することも忘れないでいてほしいなと思っています。



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小学5年生のハードル [生徒]


去年の夏から家庭教師として指導に行っているRちゃんは、この4月で6年生になりましたが、出会った頃は小学5年生でした。
クラスの友人関係でいやな思いをしていて、学校で受けたストレスを家に帰ってお母さんにぶつけていました。それは暴力的でさえあり、悩みに悩んだお母さんからの依頼でアンが行くことになったのです。
算数が苦手なのでそれも見てほしいとのことでしたが、一番の要望はRちゃんの話をよく聞くというものでした。
これまで中学受験や学力不振の小学生の指導はしてきましたが、カウンセラーとして話を聞くことが中心の依頼は初めてで、それだけ問題は深刻なのだという気がしました。

小学5年生ともなると、これまで無邪気に過ごしてきた女の子でも自分の顔やスタイル、頭のよさなどを他人と比較して、優越感や劣等感を持ったりします。また、友達から自分がどのように思われているのかも気になり、本来の自分が出しにくくなります。
女子特有の嫉妬や羨望、独占欲などが顕著に現れるのもこの時期で、概して大人しくて優しい子が仲間はずれにされたり、いじめの標的にされたりします。
この時期の女の子同士のいやな関係をうまく乗り切れればいいのですが、ここでつまずいてしまうと、その先の学校生活がつらいものになったり、不登校の原因になってしまうこともあります。

Rちゃんはまさに、この女の子同士のぐちゃぐちゃに巻き込まれた生徒でした。個人的にはそれぞれ仲良く遊べても、その子達が属しているグループには入れてもらえずに、クラス内で一人ぼっちになることが多かったといいます。
そこからくるストレスは大人が想像する以上に大変なもので、Rちゃんはお母さんに当たることで、何とかバランスを取っていたようです。そんなRちゃんの行為が許せなくて、お父さんはRちゃんに手を上げることもあったそうです。
アンが伺った頃は、それがピークに達していて、家庭内の空気も重く沈んでいました。

ところが、Rちゃんはアンと会った最初の日から、「先生は話しやすい」と言って、アンに心を開いてくれました。お母さんに言わせると、外面はよいとのことでしたが……。
アンは、Rちゃんが聞いてほしくてたまらないと思っていることを一つ一つていねいに聞いていきました。Rちゃんが現在、クラス内でどのような状況に置かれているかについては、質問しながら答えてもらいました。その過程で、Rちゃんの性格や、クラス内での友達関係、さらには友達の性格や力関係なども見えてきました。Rちゃんがどれだけ苦しい思いをし、傷ついているかもわかりました。
大人に限らず子どもも、つらい時は誰かに話を聞いてもらって、自分の気持ちをわかってもらいたいと思います。そして、わかってもらえたと実感出来た時に、心が軽くなったり元気になったりするのだと思います。

自分が置かれている状況を的確に表現できるRちゃんを見て、アンは、Rちゃんがグループに入れてもらえないのは、Rちゃんが入ると自分のグループ内での立場が危うくなると考える女の子がいるからだと思いました。アンは好きではありませんが、こういうタイプの女の子は結構いるものです。
Rちゃんは自分が嫌われているからグループに入れてもらえないのだと思っているようでしたが、そうではなくて、Rちゃんに自分にない何かを感じて、それを恐れてのことではないかと想像できました。
Rちゃんは感受性の豊かな、賢くてやさしいステキな女の子だったからです。

アンがそう感じても、自分に自信がもてなくて、自分を否定し続けているRちゃんの気持ちを、すぐに変えることは出来ませんでした。それでも、心に溜まっていたことを全部アンに話したせいか、Rちゃんの気持ちはかなり軽くなったようです。
勉強ではなく話が中心なので、Rちゃんの家には隔週で行くことになったのですが、2回目に行った時には、お母さんから、Rちゃんの暴力が収まったと聞きました。

けれど、その後何ヶ月経っても、Rちゃんがグループに入れないことに変わりはなく、「Rなんて、クラスにいらない」という悲しいメールをアンに送ってきたこともありました。
その間、相変わらず、Rちゃんとは話し合いに多くの時間を費やしていましたが、3回目位からは算数の勉強にも取り掛かりました。
本人は頭も悪いし、勉強は嫌いで算数は特に苦手と言っていましたが、それはRちゃんの思い込みで、理解力もあるし、的を得た的確な質問もしてくるので、勉強の筋はいい方だと思いました。

12月、2学期の成績表が出た段階で、算数が一段階上がったことを、Rちゃんはうれしそうに報告してくれました。
隔週の指導で、しかも話が中心で算数の指導にはわずかな時間しか取れないのに、Rちゃんはすごいなとアンは思いました。
この時期になると、精神面でもかなり成長してきて、グループのこともあまり言わなくなりました。
そのグループはリーダーの言いなりに動くグループで、グループに入れたとしても楽しくないということが、Rちゃんにもわかっていたからです。グループに入れないことより、クラス内で一人ぼっちになるのがいやだったのだと思います。
ある時、Rちゃんはアンに向かって、「グループのリーダーのNちゃんは、強そうでいて、本当は弱虫なんだってことがわかった」と言っていました。
アンはRちゃんの言うとおりだと思いながら、小学5年で、よくこれだけのことが考えられるようになったと感心しました。

そして、今年の2月位からは、Rちゃんはグループに入ってないMちゃんと仲良しになり、そこにやはりグループに加わっていないSちゃんが加わって、3人で仲良く遊ぶようになったといいます。
3人というのは難しいのではと心配するアンに対して、「大丈夫、Mちゃんも、Sちゃんもやさしい子だから」と、Rちゃんはきっぱりと言い切りました。
3月の末に行った時には、成績表をアンにそのまま見せてくれて、算数も2学期の成績をキープしていました。
その成績よりも、アンが感心したのは、Rちゃんの勉強に対する姿勢でした。
それまでのRちゃんは、アンに会って話をするのはいいのですが、勉強に対しては逃げ腰で、アンが行っても隠れてしまって出てこないことも度々ありました。
そんなRちゃんだったのに、3学期にやった算数のテストのファイルを自分から差し出して、出来なかった問題や、合っていても自信がもてない問題を、もう一度アンと一緒にやりたいと申し出たのです。
もうじき6年生になるのに、わからないところをわからないままにしておくのは気になるというのです。

算数の指導を始めた頃は、Rちゃんは小数と分数の計算のやり方がわかっていませんでした。それも間もなくわかるようになって、現在、自信が持てないのは割合だということでしたが、テストでは合っていたし、もう一度やり直してみても理解できていました。
Rちゃんはそれで安心したようです。

Rちゃんと接していて強く感じたことは、小学5年という時期は友達関係も勉強も転換期で難しくなる時期なので、このハードルを上手く越えることが大切だということです。この時期をうまく乗り切れば、その後に続く中学生活も何とかなるように思いました。
小学生だからまだ大丈夫と思わずに、わが子の精神面と勉強面をよく注意して見ることが大切だと思います。


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頑張らなくても切り抜けられる子 [生徒]


アンはいつも生徒には努力することが大事だと言っていますが、何が何でも頑張らなければならないと考えているわけではありません。
それどころか、みんながみんな頑張る人で、日本中が頑張る人ばかりになってしまったら(ありえませんが)、それはそれで息苦しい世の中になってしまうと思うからです。
努力するに越したことはないけれど、そうではないタイプの人がいてもいいと思うのです。

チャレンジ高校を目指して通って来ている不登校のY君はまさに努力することが苦手なタイプの生徒です。
遅刻はよくするし、眠い眠いと言って塾で寝てしまったこともあったし、めんどくさいが口ぐせでなかなか勉強に取り掛かろうとしないなど、感心できないことも多々ありました。
そんな状態が半年以上も続いたので、「今のままだったら絶対受からないからね」と、本人に面と向かって言ったことも何度かあります。

それでもアンは、Y君に勉強を強いることはしませんでした。Y君のような生徒を枠にはめようとしたら、逃げ出してしまうか、やる気をなくしてしまうに違いないと思ったからです。
とにかく、家庭塾に楽しく通ってきてもらうことをテーマにしました。やめてしまったら何も残らないけれど、続けて通っていれば何とかなると思ったのです。
数学や英語も少しはやりましたが、中心は作文でした。作文の題材もY君の好きな漫画や何度も見ている映画からとって、その要約をしたりしました。けれど、2時間の授業の大半が、アンとの会話のキャッチボールであったことも確かでした。

そんなY君でしたが、1ヶ月前あたりから様子が変わってきています。
初めて出した作文の宿題では、課題文のポイントを押さえ、文章の構成もしっかりした見事な作文を書いてきました。
普段、授業で説明していることを、聞いていないようでいて、頭にしっかりと入れていたからだと思います。
「やる時はやる」と言っていたY君の言葉通り、それを実行して見せてくれたのです。
それでいいと思いました。いつもいつも頑張ったり努力できなくても、ここぞという時に力を発揮できたら、それは認められることだと思うのです。
Y君はポイントをつかんだり、作戦を考えたりすることも上手です。無頓着に見えても、チャレンジ高校入学試験の配点の割合も把握していました。そこから自分が志願申告書で何点取れるか、配点が高い面接では何点位取ったらいいのか、彼なりに計算していたようです。

Y君には生きていく力があるように感じられます。Y君が持っているコミュニケーション能力と、ここぞという時に力を発揮できれば世の中を渡っていけそうな気がするのです。

Y君のことで忘れられないエピソードがあります。
一つ目は、家庭塾に通い始めて間もないころ、珍しく遅刻をしないで早めに来たことがありました。そして、アンの顔を見た途端、「先生、1円玉を両替してください」と言って、大量の1円玉を目の前に置いたのです。
アンはすぐに断りました。わが家にはそうでなくても1円玉が溜まりに溜まっていたので、それ以上に1円玉が増えることは拒否したかったからです。
すると、Y君はとても困った顔をして、どうしても翌日の明け方までにお金が必要だというのです。理由を尋ねると、親には内緒の、友達同士で約束した小さな冒険のためのお金だと説明してくれました。その具体的な内容を聞いて協力したいと思いながら、諸手をあげて賛成できない面もあって、銀行で両替してもらうことを提案しました。だめならあきらめてもらうしかないと思ったのです。

1円玉をたくさん両替するには手数料がかかることは知っていたので、そのこともY君に伝えました。
「手数料を取られるのは困るので、先生の通帳を貸してください。一度、通帳に入れておろせば大丈夫だと思うんで」というY君の言葉で、一緒に近くの銀行に向かいました。
ところが、1円玉で入れた通帳のお金は翌日にならないとおろせないことが、行員さんの説明からわかりました。
Y君の困った顔を見て、「何とかなりませんか」と、アンも熱心に頼んだのですが叶わずに、郵便局なら大丈夫かもしれないというアドバイスをもらって、今度は少し離れた郵便局に行きました。
意外なほど簡単にその場で両替してもらうことができました。1600円程度だったと記憶しています。
翌日の早朝、Y君は友達との冒険を実行に移すことができました。

二つ目は、つい最近のことですが、1時間半程遅刻して来たことがありました。
アンはその時間を空けて待っているので、これは叱らなければと思っていると、Y君が1枚の絵を差し出しました。水彩画で描いた紅葉の絵です。
以前にアンが紅葉の絵がほしいと言っていたのを覚えていて、それを描いていたので遅刻したと言うのです。紅葉の絵を描いていたから遅刻したのか、あるいはただの言い訳だったのかはわかりませんが、怒る気がしなくなってしまいました。Y君の気持ちもうれしかったからです。

上記の2つのエピソードも、たわいないと言ってしまえばそれまでですが、Y君なりに考えた生きていくための知恵だと思います。
付け足しになりますが、他の生徒にアンの悪いところを尋ねても答えは返ってこないのですが、絵が下手、ムダ口が多い、服装のセンスが悪い、どす黒いなど、次々に指摘してくるのでおもしろくもあり、参考にもなります。
アンのいいところは、「めんどくさい人」ではないところだそうです。
このように自分の意見を人にきちんと言えることも大切だと思います。

今は、チャレンジ高校受検までふた月を切るところまで来てしまいました。
Y君に不安や緊張の様子も見られます。受験生であれば当然のことと思います。
Y君には、彼のお母さんも認めているようにホームランか三振かのような側面があるのですが、受験に本気で臨む姿勢が出てきているので、合格園内に入ってきたなと思っています。
今、彼なりに頑張っていることが、これから先のやる気につながり、本当にやりたいことが見つかったら失敗しても失敗しても立ち上がって、それを実現させていく粘り強さが持てるようになってほしいと願っています。


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